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鈴木 哲; 江里 幸一郎; 佐藤 和義; 中村 和幸; 秋場 真人
Fusion Engineering and Design, 49-50, p.343 - 348, 2000/11
被引用回数:5 パーセンタイル:37.61(Nuclear Science & Technology)サドル型及び平板型断面をもつダイバータ試験体の熱疲労実験について報告する。試験体の冷却管はアルミナ分散強化銅(DSCu)を使用しており、従来の無酸素銅製冷却管に比べ、強度に優れている。実験はITERダイバータ板の熱負荷条件を模擬して、熱負荷5MW/mの下でくり返し加熱を実施した。この結果、試験体の冷却管は約400サイクルの加熱で一部が破損し、冷却水の漏洩が認められた。SEMによる観察では、冷却管内外層にクラッドした無酸素銅皮膜には疲労破面に特有のストライエーションが認められたが、DSCu層には顕著な疲労の痕跡は観察されなかった。DSCu層の破面は無特徴であり、脆性的な破壊の様相が認められたため、冷却水バウンダリを構成する部材としてDSCuを使用するには、特に応力集中部の寿命評価に十分な注意を払う必要があることがわかった。
本岡 隆文; 木内 清
JAERI-Research 99-031, 21 Pages, 1999/04
大型再処理施設に使用されるジルコニウム製の再処理機器の長期耐久性評価の観点から、沸騰硝酸溶液中で応力腐食割れ感受性を持つジルコニウムについて、TIG溶接継手の疲労き裂進展挙動を熱影響部(HAZ)中心に評価した。疲労き裂成長速度を沸騰硝酸溶液中と室温大気中で測定したほか、走査型電子顕微鏡による破面観察も実施した。室温大気中に比べて沸騰硝酸溶液中では疲労き裂成長速度が一桁高くなった。硝酸溶液中で試験した試料の破面は、脆性ストライエーション及び擬劈開型であった。母材、溶接金属及びHAZの疲労き裂成長速度の測定結果の比較から、硝酸溶液中では大気中に比べて、いずれもき裂の成長は加速されるが、その速度は同程度であることがわかった。
宮園 昭八郎; 植田 脩三; 古平 恒夫; 柴田 勝之; 磯崎 敏邦; 中島 伸也
3nd.Int.Conf.on Pressure Vessel Technol.Pt.2, p.741 - 748, 1977/00
軽水炉用圧力容器に取り付けてある一次冷却系配管のノズル部の内面コーナの最大応力発生点に万一欠陥が存在している場合を想定して、この欠陥からき裂がどのように伝播していくかを明らかにするため、ノズル付圧力容器モデル(銅製)を用いて内圧繰返し試験を実施した結果について述べた報告書である。圧力容器モデルに取りつけたノズルは現在運転または建設中の軽水型動力炉に使用されているノズルのモデルであり、取りつけた3個のノズルの内面コーナにそれぞれA型(深さ:3mm、切欠き底:直線状)およびB型(深さ:3mm、切欠き底:円弧状)の2種類の切欠きを加工した。内圧繰返し試験は常温で0110kg/cmの条件で実施した。約29,200サイクルで1個のノズルの切欠き部から貫通し、媒体が漏洩した。これらの試験結果から、ノズル部のき裂伝播速度は約10mm/サイクルのオーダであることが明らかとなった。なお、き裂長さはスメックゲージ、き裂ゲージおよび破断面のストライエーションから求めた。